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草こと

ほどけた1本 

前回、「ぐちゃぐちゃにからまった糸」と書きました。
その1本がほどけたときの話。

私は強迫観念を持っています。
症状は、
『同じ道を何度も往復してしまう』
『数字を何度も確認する』
最大に苦労しているのは、
『戸締り』です。

今はだいぶ落ち着いていますが、
酷いころは、支度を終えて家を出ようと思ってから、
戸締りに30分以上かかることもありました。

ここの窓から見て、次はこの窓・・・と順番が決まっています。
順番通りに見ていて、途中で物音がした、違うことを考えたなど
集中が途切れてしまうと、
また振り出し、最初にもどって同じところを何度も何度も確認します。
それを繰り返しているうちに30分以上経過してしまうのです。
しかも、
出勤時間や約束の時間が迫ってくると、あせってしまい
なおさら集中できず、何度も何度も確認して確認して、
なかなか進まない・・・心臓がバクバクと高鳴ってきます。
ドクンドクン、頭に血が上り、追い込まれた精神状態・・・

そう、ただの戸締りで・・・
自分でも笑っちゃいます。でも、その時はそうなっちゃう。

もう、20年近くこの症状と付き合っているので、
それが普通になっていましたが、
もし治るなら、とても楽になるだろう!と
そこに注目し深く考え、見つめなおしていた
ある日、
また順番どおりに戸締りをしていて、ふと
「気を抜くな!気を抜くとまた振り出しに戻らなければならなくなるぞ!」
と言い聞かせている自分に気が付きました。そして、
「なんだっけ?この感覚・・・戸締りの時のこの感覚・・・」
と考えました。
すると昔の記憶が、というか感覚がよみがえってきます。

それはタイムリミットのある仕事。
これは明日まで、これは明後日まで、という仕事を沢山抱えた状態。
窓もない小さな部屋で、毎日夜遅くまでサービス残業です。
ピタッと型にはまる物をつくる仕事で、最後の工程までいっても、
最後の最後でダメになり、振り出しに戻ることもある・・そんな仕事をしていました。
1つ1つ積み上げてきても最後まで、完成するまでは気が抜けない。
期限があって時間が迫ってきて焦りがつのる、追い込まれた精神状態。

・・・・・
・・・そう、私は日常の戸締りで、
その状態をいつもいつも作り出していたのです。
衝撃でした。
私は、その仕事をやめて15年以上
その時の辛かった精神状態を自分で作りだしていた・・・毎日、毎日。
そこまで気づいて
「なにやってるんだよー」と笑い泣きしました。
そして、その日から振り出しに戻るという行動はしなくてもよくなった。
私のからまった糸が1本ほどけた瞬間でした。

だからといって、
順番どおりは変わりません。鍵を穴があくほど見ています。
でも、
振り出しに戻らなくなったのは大きな進歩。

そして、
私のややこしいところは、まだまだあります。
でも、
それも全部ふくめて、それが
今の私です。



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